マスカレード・ホテル
東野圭吾



なにをぼやっとしてる?
さっきの会議の話を聞いてなかったのか?
仕方ないな、お前にだけ特別に話してやるから今度こそはちゃんと聞いておけよ?

A日、B日、C日に起きた事件が連続殺人事件だということは分かってるだろう?
現場にあった不可解な証拠から、我々警察はこれが連続殺人事件だと判断した。
そしてその証拠から次の犯行現場がある超一流ホテルだということも分かっている。
なに?そこまで分かってるのに、どうして犯人を捕まえられないかだって?
本当にお前は話を聞いてないな。
資料にも書いてある通り、全ての事件においてもちろん怪しいやつらは調べあげている。
ただ、全てにおいてアリバイがあるのだ。
もちろんアリバイ工作があるかもしれないが、それは一旦忘れてくれ。
その件に関しては他のやつらに任せるんだ。
いいか、お前が今一番神経を尖らせなきゃいけないのは、次の犯行だ。
ある超一流ホテルで犯行は行われるはずだ。
なに?さっき言ってた怪しいやつらを見張っていればいいだと?
じゃあお前は、そいつら以外が犯人だった時の責任は取れんのか?
取れないと思うなら素直に話を聞け。
もう一度言うと、次の犯行現場はある超一流ホテルだ。
容疑者は不明だと思え。
そしてその容疑者が狙っているターゲットも不明だ。
そんな状態で、我々警察は事件を未然に防ぎ、更には犯人逮捕もしなければいけない。
ホテルには悪いが、事件が起きるということを公表すればいいだと?
じゃあお前はその犯人が捕まらなくていいと思ってるのか?
チャンスなんだよ、このタイミングが。確かにホテル側には悪いがな。

もう一度言う。
容疑者は不明、ターゲットも不明。
場所はある超一流ホテル。
不特定多数の人間が行き来する場所だ。
そんな場所で起こるであろう殺人事件を未然に防ぎ、かつ犯人を逮捕もするにはどうすればいいと思う?






続きは、実際に本を手にとって読んでいただければと思っています。

あぁ面白かった。

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