真夏の方程式

2012年1月20日 読書
東野圭吾
真夏の方程式



ある事件が起きたとしよう。
その事件は一見、単純な事件である。
犯人の証言も、辻褄が合い、なにも悩む様なところなどない。

ただ、見方を変えてみるんだ。
一歩右から、または左から。
するとどうだろう。
おかしいな。ここの線が合わなくなる。

一つの事件というのは、いくら見方を変えてみても線が繋がるようにできているのだ。
しかし、この事件は繋がらない。
ここに、解決の糸口はある。


といったところで、この本は終える。
本当の殺人犯を捕まえないまま、この本は終える。
それでいいのかと決めるのは貴方自身。
ただ、天才物理学者、ガリレオと呼ばれた湯川教授は全ての点を、狂いもなく線にして、完璧なまでに真相を暴いた上で、犯人を捕まえなかった。

彼の頭の中で、
どのような方程式が、
計算されたのだろうか。

そこには人間の感情という一番ややこしく、一番暖かいものが含まれていたに違いない。

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